貧血、辛いですよね。
子宮筋腫が徐々に育っていると、じわりじわり出血が多くなり、貧血の発症の仕方もじわりじわりです。
急激に貧血になれば、立ちくらみや体調の変化で知らせてくれるのですが、一番気を付けなければいけないのが「じわりじわり貧血」で、これらの症状も、年齢とともに疲れやすくなったのかなぁ、運動不足なのかなぁ、の範囲で知らせてくるので、実にわかりにくいのです。
先日も、たまたま飲み屋で相席になった女性が、顔色も悪く具合も悪そうだったので、話の流れを貧血の話にしてゆくと、もともと若いころから貧血だったから、さほど気にしていない、けれど、最近確かに生理の量が多い、とのこと。
はぁ(;´д`)、まるで数年前の私がそのまんま、そこにいました( ;∀;)。
どのタイミングで病院に行ったらよいのかわからない。疲れがとれにくいとか、重だるいなんて、最近の生活の乱れか、年齢のせいだろうし、わざわざ病院に行って、何も問題がありませんでした、って帰ってくるのがおちだと思っている。
彼女には、強く強く、さらに強く、産婦人科に行くことを勧めました。なんなら病院と先生の名前も指定して、強く勧めました。
(後日、大きな子宮筋腫がみつかって、治療をはじめるとのこと。貧血が改善しただけでも、毎日が輝いて見える、と言ってました。)
貧血は、子宮筋腫の大きなバロメーターです。
会社などの健康診断で、血液検査の結果があらわれたら、子宮筋腫に不安のある方はぜひこの数値をチェックして、貧血の具合を確認してみてくださいね。
血液検査結果の報告書が届いたら、検査値と基準値が書かれていますので、以下を比較しながら、自分の体について深く理解してゆけると思います。
血球系検査でまずは見るべき3つの貧血項目
①血色素(Hb)(ヘモグロビン)
血色素とは赤血球に含まれるヘムたんぱく質で、酸素の運搬役を果たします。
減少している場合、鉄欠乏性貧血などが考えられます。
②Fe(血清鉄)
血清鉄とは血清中に含まれる鉄分のことです。鉄分はヘモグロビンの原料であり、ヘモグロビンが赤血球を動かします。赤血球は酸素と二酸化炭素を運搬してい ます。血清鉄が不足すると鉄欠乏性貧血になり、酸素不足から倦怠感や疲労感が増して、めまい、頭痛、肩こりなどが起きやすくなります。
③フェリチン
貯蔵鉄の値を知る大切な数値です。水溶性のたんぱく質の一種ですが、内部に鉄分を貯めることができるため、「貯蔵鉄」 「第二の鉄」などとも呼ばれます。
体内での鉄の減少はまず、貯蔵鉄であるフェリチンから減っていきます。フェリチンが不足すると、血液中の鉄分(血清鉄)も徐々に各組織で使われて不足してい き、最後に鉄を材料にして作られているヘモグロビンが作れなくなるために貧血がおこります。表向きはヘモグロビンが正常で貧血がなくても、貯蔵鉄が枯渇し て徐々に貧血へと進行している隠れた鉄欠乏状態(潜在性鉄欠乏)を知ることができます。
鉄欠乏性貧血の治療では、鉄剤を用いられることがよくありますが、この場合、まず血清鉄が最初に増えていきます。それから、ヘモグロビンが上昇し はじめて、最後に貯蔵鉄であるフェリチンが上昇していきます。そのため、ヘモグロビンが上昇したからといって鉄剤を自己判断でやめずに担当医の指示に従っ て、しっかりとフェリチンを正常な値に戻しておきましょう。
素人がみて判断できる数値はこの3つで十分だと思います。
これらの数値で、自分の貧血度合いがどれくらいかを知り、できるだけ早い対策をとられることをおすすめします。
他にも気になる数値がありましたら、以下を参考にしてみてください。
赤血球(RBC)
赤血球は肺で取り入れた酸素を全身に運び、不要となった二酸化炭素を回収して肺へ送る役目を担っています。
赤血球の数が多すぎれば多血症、少なすぎれば貧血が疑われます。
ヘマトクリット(Ht)
血液全体に占める赤血球の割合をヘマトクリットといいます。
数値が低ければ鉄欠乏性貧血などが疑われ、高ければ多血症、脱水などが考えられます。
MCVは赤血球の体積を表します。
MCHは赤血球に含まれる血色素量を表します。
MCHC赤血球体積に対する血色素量の割合を示します。
MCVの数値が高いと、ビタミンB12欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血、過剰飲酒が疑われます。低いと、鉄欠乏性貧血、慢性炎症にともなう貧血が疑われます。
白血球(WBC)
白血球は細菌などから体を守る働きをしています。
数値が高い場合は細菌感染症にかかっているか、炎症、腫瘍の存在が疑われますが、どこの部位で発生しているかはわかりません。たばこを吸っている人は高値となります。
少ない場合は、ウィルス感染症、薬物アレルギー、再生不良性貧血などが疑われます。
血小板数(PLT)
血小板は、出血したとき、その部分に粘着して出血を止める役割を果たしています。
数値が高い場合は血小板血症、鉄欠乏性貧血などが疑われ、低い場合は再生不良性貧血などの骨髄での生産の低下、特発性血小板減少性紫斑病などの体の組織での亢進、肝硬変などの脾臓でのプーリングが考えられます。
UIBC(不飽和鉄結合能)
ヒトの体には、3~5gの鉄が存在していますが、血液中に存在する血清鉄は、トランスフェリンと呼ばれる蛋白と結合した状態で存在しています。
通常トランスフェリンは、約1/3が鉄と結合し、残りの約2/3が鉄と結合していない状態で血液中に存在しています。UIBC(不飽和鉄結合能)は、血液中の鉄と結合していないトランスフェリンを表しています。体内の鉄が不足した状態で増加し、感染症や炎症、悪性腫瘍などで低下します。
http://www.bestmeditec.net/
ベストメディテクより引用させていただきました
日本人間ドッグ協会より引用させていただきました